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[医療解説] 甲状腺の機能障害… 子どもの発達に影響(2011年12月24日 読売新聞)

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2012年01月06日(Fri) 08:56 by drharasho

2011年11月にあった日本甲状腺学会で群馬県の宮下先生が、
福島原発事故後の通院患者さんの甲状腺機能の変化を報告されました。
そうしたことと関連する記事が読売新聞にでていました。

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[医療解説] 甲状腺の機能障害… 子どもの発達に影響
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=52122

東京電力福島第一原発事故の後、にわかに関心が高まった甲状腺。甲状腺には、どんな働き
があり、異常があると健康にどう影響するのだろうか。(館林牧子)


甲状腺は、首の喉仏と鎖骨の間にあり、チョウが羽を広げたような形をしている。海藻など
から摂取したヨウ素を使って甲状腺ホルモンを作る。


甲状腺ホルモンは、細胞の新陳代謝を活発にする働きがある。生きていくのに欠かせないホ
ルモンで、脳の下垂体から出る甲状腺刺激ホルモンにより、血液中に分泌される濃度が調節
されている。



甲状腺ホルモンが過剰だと、動悸、脈が速い、汗をたくさんかく、手が震える、不眠、疲れ
やすい、意欲が出過ぎてイライラするなどの症状が出る。高齢者は不整脈が表れることもあ
る。免疫の異常で甲状腺を異常に刺激する物質(抗体)が作られてしまうバセドー病などが
代表的だ。

逆に、不足した状態が「甲状腺機能低下症」で、活力が失われ、無気力、脈が遅い、寒がり、
便秘、むくみ、脱毛などが表れる。妊娠中だと流産や死産の率が高まり、胎児や小児では成
長や発達の障害の原因になる。
成人で多いのは橋本病。これも免疫の異常の一つで甲状腺を
攻撃する抗体が作られ、甲状腺に慢性の炎症が起きる。

宮下クリニック(群馬県高崎市)院長の宮下和也さんは11月、今回の原発事故後、甲状腺
疾患で通院している患者に甲状腺機能の低下傾向があると、日本甲状腺学会で発表した。

治療で甲状腺機能が正常に維持され、事故以外に変動に関する要因がない1175人の事故
前と事故後3か月以内の甲状腺ホルモン(フリーT4)と甲状腺刺激ホルモンの変化を調べ
たところ、約80%で甲状腺機能の低下傾向が見られた。1175人のフリーT4の平均値
は1・37から0・92へと正常下限まで低下。低下を補うために分泌される甲状腺刺激ホ
ルモンの平均値は1・5から5・2と、正常上限の4を上回った。

一定量以上の放射性ヨウ素を取り込むと、甲状腺機能は低下するが、宮下さんは「被曝量が
わかっていないので、放射性ヨウ素の影響かどうかは不明。また、機能の低下が、甲状腺が
んの発症に結びつくものではない」と話す。


体の成長や脳の発達に必須のホルモンだけに、妊婦や子どもへの影響が気になるところだが、
赤須医院(東京都港区)院長の赤須文人さんは「お子さんなら身長の伸びと甲状腺の腫れを
チェックして」と話す。
子どもの甲状腺は胸開きの少ないブラウスの第一ボタン辺りにあり、
上を向かせて腫れを見る。腫れがあるか、身長の伸びが急に鈍るようなら、医師に相談する。
ホルモンは血液検査で測定でき、機能低下が見つかれば甲状腺ホルモンを補うことで治療で
きる。

宮下さんは、「昆布の食べ過ぎなどで機能が低下する人もいる。1日に必要なヨウ素は
0・1ミリ・グラムで、昆布の乾燥重量なら0・1グラムくらい。日本人なら大抵の人は十
分な量を取っており、海藻類の極端な食べ過ぎやヨウ素のうがい薬の使い過ぎなどには注意
してほしい」
と話している。

(2011年12月24日 読売新聞)


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