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中枢性甲状腺機能低下症

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2009年01月03日(Sat) 07:32 by drharasho

Lesson14 : クレチン症の病因で、
先天性甲状腺機能低下症の病因を(1)原発性、(2)下垂体性、(3)視床下部性、
(4)末梢性と大きく分けました。

 (2)と(3)をまとめて、「中枢性甲状腺機能低下症」とも呼ばれます。

甲状腺機能低下症は、発病の時期によっても分類されます。

(A)生まれたときからのものを、先天性甲状腺機能低下症といいます。
(B)生まれてしばらくしてから発病するもの(ふつうは生後6か月以後に
発病したもの)を後天性甲状腺機能低下症といいます。

病因の分類は、からだのどこが悪いかによる分類となります。

つまり・・・ (1)甲状腺自体が悪いことによる甲状腺機能低下症を
原発性甲状腺機能低下症、または甲状腺性甲状腺機能低下症といいます。

 「甲状腺に指令を送る場所」が悪いことによる甲状腺機能低下症を
中枢性甲状腺機能低下症といい、悪い場所により

(2)下垂体性甲状腺機能低下症や(3)視床下部性甲状腺機能低下症
ともいいますが、区別しにくいので、その二つをまとめて
「中枢性甲状腺機能低下症」ということが多いです。

(4)末梢性甲状腺機能低下症は特殊なタイプなので、今回は関係は
説明しません。

このように病因分類と時期による分類で、・先天性、原発性甲状腺
機能低下症・先天性、中枢性甲状腺機能低下症・後天性、原発性
甲状腺機能低下症・後天性、中枢性甲状腺機能低下症の4タイプ
となります。

新生児マススクリーニング(先天性代謝異常等検査)は、先天性
甲状腺機能低下症の早期発見・早期治療を目的としていますが、
同じ先天性甲状腺機能低下症でも原発性と中枢性では、血液検査の
特徴が違うので、新生児マススクリーニングの検査でも違いがあります。

詳しくは改めて説明しますが、簡単に言うと世界の多くの国々では
(日本も含め)、原発性甲状腺機能低下症を早期発見・早期治療する
ことを目的としています。

原発性と中枢性の血液検査の違いは次のようになります。

原発性甲状腺機能低下症では甲状腺自体が甲状腺ホルモン(T3、T4)を
作れませんので、甲状腺ホルモンの血液中の値が低下しますが、
下垂体は正常なので、甲状腺刺激ホルモン(TSH)がたくさんつくられ、
血液中のTSHが高値となります。

それに対し、中枢性甲状腺機能低下症では、下垂体からのTSHが
低下してしまい、甲状腺への命令がでなくなるため、甲状腺自体が
甲状腺ホルモンを作らなくなる、という状態となります。

そのどちらの場合でも、結果として血液中の甲状腺ホルモン(FT3、FT4)が
低下し、そのために甲状腺機能低下症の症状が起きてきます。

そして、原則としては原発性ではTSH高値、中枢性ではTSHが
正常から低値となります。

これが大きな違いです。 甲状腺機能低下症の症状は、原発性
甲状腺機能低下症でも、中枢性甲状腺機能低下症でも、基本的に
違いはありません。

日本甲状腺学会のサイトに書かれているように、臨床所見は同じに
なります。 無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、
嗜眠、記憶力低下、便秘、嗄声等いずれかの症状

子どもの場合は、これに加えて「成長障害」や「発育発達の障害」が
起きてきます。

そのため、大人の(後天性)甲状腺機能低下症では、体の代謝が
低下するために「体重増加」が起きますが、子どもの甲状腺機能低下症
では、成長障害のため結果として、体重増加が悪くなります。


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