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甲状腺ホルモン薬供給再開への取組等について 第8報

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2011年05月17日(Tue) 18:19

今回の第8報の要点は、以下の通りです。

1.     2社の社内在庫の合計が2.25月分相当に増えたこと。

2.     もしもの「有事」(再度のあすか工場の操業停止)においては、まだ国内生産だけでは賄えない
        状況ではあるが、緊急輸入も合わせると供給不足は回避できる見通しであること。

3.     長期処方の解禁については、一時的な処方の増大の危険を避けるために、5月18日以降に部分的な
        解禁(60日処方まで)をお願いしたいこと。この点については、厚労省医政局経済課と保険局医療課の
        了解も得ました。


3月11日以降、チラーヂンSの不足を懸念して、
通常の処方量を減らしてしまった、という事例を聞いています。

これまで第8報まで情報提供してきましたように、
実際には、日本のどこにおいても、本当の「不足」は
生じてません。

万が一、1日の服用量を減らす、あるいは
用日数を減らすように指導している事例がありましたら、
直ちに、通常量に戻すよう指示してください。
改めてお願いします。

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2011年5月17日

甲状腺ホルモン薬供給再開への取組等について 第8報

日本内分泌学会、日本甲状腺学会、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会、日本小児内分泌学会の、
関連5学会から、レボチロキシンナトリウム製剤(チラーヂンS錠®等)の供給について、学会員、医療
機関、患者家族の皆様にお知らせします。

レボチロキシンナトリウム安定供給対策委員会(通称T4委員会)
横谷 進(委員長) 原田 正平 皆川 真規

1. レボチロキシンナトリウム製剤の在庫状況

5月16日現在でのレボチロキシンナトリウム製剤の在庫量は、以下の通りです。

(1) あすか製薬社内の「チラーヂンS」(S50、S25、散の3剤形)と「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」
(緊急輸入品)」を合わせた在庫量は、国内需要の約2.0か月分です。

(2) サンド株式会社内の「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」」(国内承認品)の在庫量は、国内需要の
約0.25か月分です。

すなわち、2社の社内在庫の合計は、約2.25か月分となっています。

2. 新たな供給ルートの開発の進捗状況について


震災前まで国内のレボチロキシンナトリウム製剤の大部分を製造してきたあすか製薬いわき工場では、
順調に復旧し、以前と同様の能力で製造が続けられています。しかし、いわき工場では、少なくとも
この先の数か月間にわたり余震や原子力発電所事故に関連した不確定要因が排除できないので、「有事」
に備えた別の供給ルートの確保が望まれます。そうした場合の供給について、現時点での準備状況を
お知らせします。

(1) あすか製薬からの委託生産
あすか製薬からの「チラーヂンS」の委託生産(いわき工場以外の国内の工場での生産)については、
すでに製造が始まっていることを第7報(4月28日付)でお知らせしましたが、現在では、月間約0.1か月
分の出荷が始まっていると聞きます。

(2) あすか製薬による緊急輸入の準備
あすか製薬による緊急輸入(サンド株式会社とは別の会社からのもの)の準備も進んでおり、「有事」
には、非常に早く供給を開始し、引き続き十分な量を供給できる見通しになってきるとの情報です。

(3) サンド株式会社 上山工場における増産
「レボチロキシンナトリウム錠50「サンド」」の製造はすでに増産体制にありますが、有事には、月間
最大0.4か月分までの製造が可能であるとの報告を受けています。

(4) サンド株式会社による緊急輸入
すでに4-5月に緊急輸入した実績のある、ヘキサル(サンド本社の子会社)のドイツ工場からの緊急輸入も、
有事には1週間後から供給を開始し、1か月間で約1か月分の供給ができる体制にあると聞きます。

このように、「有事」に際して承認品の国内生産だけで現時点で直ちにカバーすることはできませんが、
緊急輸入による供給も合わせれば、供給不足に陥らずにつないで行ける見通しになってきました。

3. 長期処方の自粛の、部分的解除のお願い

第7報(4月28日付)の時点よりも、2社の社内在庫量が約0.8か月分増加し、2.25か月分となりました。
多くの方々のご協力により、さしあたりの供給不足は回避されましたので、3月中旬以来継続してお願い
してきた長期処方の自粛について、再検討すべき時期が来たと考えられます。

約2か月間にわたる長期処方の自粛の結果、患者宅の家庭内在庫は減少しています。また、受診間隔も短く
なっていますので、今後の1か月間には多くの方が受診される予定であると推測されます。この状況で
長期処方を全面的に解禁しますと、一挙に大量の処方が行われ、短期間に在庫が底をつく恐れがあります。
これを回避するためには、段階的な解除が適切と考えられます。

すなわち、

【5月18日以降のレボチロキシンナトリウム製剤の処方に関するお願い】

学会員をはじめとする医療従事者は、被災地以外では2か月間(60日間)を限度として処方して下さいます
よう、お願い申しあげます。

長期処方の自粛については、厚生労働省からの指導を受けて開始していますが、今回の自粛方法の変更に
ついて、当局においても了解をいただいています。

この先の見通しですが、1か月余り経過したのちに在庫が十分に確保されているようであれば、その時には
長期処方の完全解除に進めると期待されます。

なお、これまで、「学会員をはじめとする医療従事者は、できるかぎり必要最小限の最適な処方・調剤に
努めて下さい」と繰り返しお願いしてきました。もし、必要量よりも少ない投与量の処方で維持して来ら
れたケースがありましたら、最適な量に復帰していただくようにお願い申し上げます。

以上

【添付ファイル】


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