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読売新聞記事(9月29日)[医療解説] 新生児検査のタンデムマス法… 発症前の代謝異常  20種以上発見可能

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2011年09月30日(Fri) 19:15 by drharasho

9月29日の読売新聞にタンデムマススクリーニングについての医療記事が載りました。

患者家族会や厚労省研究班などの取材を行って書かれた記事ですが、
残念なことに、かんじんの「新生児マススクリーニング」「有機酸代謝異常症」
「脂肪酸代謝異常症」「先天代謝異常症」といった、キーワードが入っていません。

新聞社の記事で共通して使われる用語や、記事全体の字数制限などの
ためのようですが、せめて「新生児マススクリーニング」という
大事な言葉は入れて欲しかったです。

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[医療解説] 新生児検査のタンデムマス法… 発症前の代謝異常 20種以上発見可能

新生児の生まれつきの病気を発症前に調べる検査で、より多くの病気がわかる
「タンデムマス法」の導入が進みつつある。従来の検査法でわかる病気は6種類
だったのが、20種類以上の病気がわかるようになった。見つかった場合、特殊
なミルクなどの栄養法や薬で発症を防ぐ治療が行われる。(竹内芳朗)



新生児の検査は1977年から始まった。少量の血液を採取し、血中の物質を調
べる。甲状腺機能低下症などホルモンの異常と、食べ物を分解して体に必要な栄
養素を取り出す「代謝」の働きが悪い代謝異常症が対象だ。都道府県や政令指定
都市が、公費負担で実施している。

代謝異常症には数多くの種類があり、症状の程度も様々だ。体内に有害物質がた
まったり、逆に必要な物質が少なくなったりして、脳症や知的障害などを引き起こ
し、死亡することもある。発症してからでは治療が難しいが、数万~数十万人に
一人と、まれな病気であるため、見逃されやすい。

タンデムマスとは二つの質量分析計という意味で、血液中の物質を詳しく分析し、
発症前の段階で20種類以上の代謝異常症が一度に見つけられる。2000年代に
入り一部の地域で始まり、10年は全新生児の2割強にあたる23万人が受けた。
厚生労働省は11年3月、都道府県などに対し、この検査法の積極的な実施を促す
通知を出した。


国立成育医療研究センター(東京)研究所室長の原田正平さんは「病気そのものの
完治は難しいが、発症前に見つかれば、特殊なミルクや薬物による治療を行い、発
症をかなり防ぐことができる」と意義を説明する。

厚労省研究班などの報告では、最近15年間で、発症後に先天性代謝異常症がわ
かった175人では44人が死亡し、67人に何らかの障害が残った。これに対し、
タンデムマス法で発症前に病気がわかった76人では、死亡は3人、障害は5人
と少なかった。

大阪市の女児(2)はタンデムマス法の検査で、生後すぐに「メチルマロン酸血症」
がわかった。特定の物質が代謝される過程に異常が起きる病気で、従来の検査法
では見つけられない。女児は、たんぱく質を控えめにした食事、有害物質を体外に
排出させる薬などを使い、健やかに成長している。母親は「早く見つけられて本当
によかった」と話す。

研究班の試算では、全新生児がタンデムマス法を受ければ、従来の方法ではわから
なかった病気が年間100~120人見つかる。


ただし、従来検査してきた六つの病気のうち、先天性甲状腺機能低下症など三つは
タンデムマス法ではわからないので、引き続き従来の検査法で調べる。

先天性代謝異常症の多くは小児慢性特定疾患に指定され、20歳までは医療費の
自己負担が大幅に軽減されるが、20歳を超えると負担が急に増す場合がある。

「先天性代謝異常症のこどもを守る会」(横浜市)代表で、メチルマロン酸血症の
長男を持つ柏木明子さんは「タンデムマス法の普及とともに、生涯にわたる医療費
支援の充実や、治療法の開発が必要」と訴える。

(2011年9月29日 読売新聞)


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