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先天性代謝異常症の新検査、県・指定市の6割導入へ_ 2011年11月29日3時0分

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2011年11月29日(Tue) 11:39 by drharasho

来年度からの全国の自治体でのタンデムマススクリーニング導入への
取り組みについて、朝日新聞が詳しい記事を載せてくれました。

地域によっては一面の記事だと思います。
内容も十分詳しく、かつ医学的に適切な記述です。

ただ実施している自治体の把握に、
間違いがあったようです。

少なくともホームページ上の案内では、
「大阪府」も2008年度(平成20年度)から行っています。
http://www.mch.pref.osaka.jp/sub_sinryo/c_kensaka_13_02.html

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先天性代謝異常症の新検査、県・指定市の6割導入へ
2011年11月29日3時0分

(Asahi.comに一部記事)
http://www.asahi.com/health/news/TKY201111280572.html
(digital.asahi.comに詳しい記事:契約必要)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201111280651.html?id1=2&id2=cabbbbcj


 生まれつき栄養を消化、吸収できず、命にもかかわる先天性代謝異常症のうち、
主な16種類を一度に調べられる検査法が広がっている。朝日新聞の取材で、
都道府県と政令指定市の6割が導入済みか導入する意向だった。発症前に分かれば
高い治療効果があり、厚生労働省研究班は治療や相談の態勢づくりを急ぐ。


新生児検査の流れ

 この病気は、生まれつき、アミノ酸などをうまく消化できずに発症する。
厚労省研究班(代表=山口清次・島根大教授)が1997~2010年に
計127万人の新生児の血液を調べると、計141人に18種類の代謝異常が
みつかった。9千人に1人の割合だった。
病気は重症だと突然死や心身の発達
の遅れなどを起こすが、消化できない特定の栄養を除いた特殊ミルクや薬で
発症を防ぐことができる。

 研究班の01年以降の検査で異常が分かり、発症前から治療をしていた
65人のうち、3人(5%)が死亡し、4人(6%)に発達の遅れなど後遺症が
出ていた。一方で、発症して初めて病気に気づき治療をした152人では、
44人(29%)が死亡し、65人(43%)に後遺症があった。

 20種類以上の病気を一度に調べられる検査法「タンデムマス法」の効果が
確認できたため、全新生児の検査を目指して、厚労省は3月、自治体に確実に
見つかり、治療できる16種類で、この検査法の導入を検討するよう通知した。


 朝日新聞が11月下旬に都道府県と指定市に取材すると、札幌、大阪両市と
岩手、神奈川、島根、鳥取の各県がすでに導入北海道、東京都、宮城、新潟、
三重、兵庫、和歌山、滋賀、高知、広島、香川の各県、仙台、千葉、神戸、
広島の各市の計15自治体が12年度中の導入を検討し、愛知県や名古屋市
など19自治体が時期は未定だが、導入する意向だった。

 島根大の山口教授は「検査は、治療につなげて初めて意味がある。地域ごと
に中心になる医師が治療できる医療機関に確実につなぐ態勢をつくりたい」と
話す。(下司佳代子)

■検査後の説明必要


 生まれつき栄養がうまく消化、吸収できない代謝異常症。検査で異常が
見つかっても、家族が安心して治療を受けられるよう、厚生労働省研究班は
治療法などの手引書や治療のネットワーク作りに取り組んでいる。


 これまでも4種類の代謝異常については、二つのホルモン異常とあわせ、
自治体による新生児検査で調べられてきた。ただ、検査では、1種類ずつ別々
に調べる必要があった。

 新しいタンデムマス法では20種類以上の代謝異常が1回の検査で分かり、
精度や効率も飛躍的によくなる。すでに、この検査法を導入した自治体は、
従来の検査料に1人あたり数百円程度を上乗せして公費負担している。

 全国で新検査法が広がれば、新生児の突然死や後遺症を減らせると期待
される。ただ、異常が見つかれば、医師がきちんと病気の症状や治療法などを
説明することが求められる。

 松江市の主婦(38)は2008年、里帰り先の愛媛県内の病院で、長男に
代謝異常症のひとつ、グルタル酸血症2型が見つかった。しかし、医師からは
「グルタル酸血症2型という障害が見つかりました。今後、どうなるか分かり
ません」と説明されただけだった。自分でインターネットで調べると、死亡
報告ばかりでとても不安になった。

 3カ月後、専門医の山口清次・島根大教授を受診。ようやく、栄養の制限
などを指導され、安心した。いまは、食事にも注意しながら、元気に生活
している。

 代謝異常は軽症なら、症状は成長とともに出にくくなるが、まれな病気で、
医師が知らないこともある。


 厚労省研究班は、患者の保護者が安心できるよう、手引書を作った。病気
の種類、原因、有効な薬や食事など日常生活での注意点を解説している。
相談先や患者会の紹介も載せた。検査で異常がわかった家族に医療機関など
から渡してもらっている。治療できる医療機関を紹介する医師を地域ごとに
決めるよう、学会などで呼びかけている。


 日本産婦人科医会常務理事の平原史樹・横浜市立大教授は「検査できる
病気が増えるほど、保護者が十分に相談できる態勢が必要。診断や病気の
説明が丁寧に行われているか、点検していきたい」と話している。


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