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【健康】新生児の代謝異常検査 リスク減るタンデムマス法

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2012年05月22日(Tue) 21:37 by drharasho

かなり詳しい記事がでました。
東京都で開始されたのが大きいのでしょう。

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【健康】新生児の代謝異常検査 リスク減るタンデムマス法
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2012051502000106.html
2012年5月15日

 生まれて間もない赤ちゃんに先天性の代謝異常がないか調べる検査で、より多くの
病気が一度に分かる「タンデムマス法」を導入する自治体が増えている。発症前に治
療などに取り組めば、死亡や重い障害のリスクが大きく減る。ただ、検査の精度管理
や発見後の治療、相談体制などに課題もある。 (境田未緒)





 新生児検査(マススクリーニング)は一九七七年に始まり、都道府県と政令指定都
市が公費で実施。生後五日前後の赤ちゃんのかかとから採血し、甲状腺機能低下症と
いったホルモン異常、栄養素の消化や吸収がうまくできない代謝異常など計六種類を
調べてきた。

 代謝異常症は、多くの種類があり、症状や程度もさまざま。突然死や心身の発達の
遅れを招くことがあり、異常が早く分かれば、薬や特定の栄養素を除いた特殊ミルク
などで発症を防げる場合がある。

 タンデムマス法は、これまでと同様に採取した血液で、二十種類以上の代謝異常症
が一度に分かる。研究対象としてのパイロット検査などでは、九千人に一人の割合で
異常症が発見されている。

 厚生労働省研究班の検査(二〇〇一~〇八年)で異常が見つかり、発症前に治療を
した六十五人のうち、発達の遅れなどがあったのは四人(6%)、死亡は三人(5%)。
一方、発症して病気が分かった百五十二人で、後遺症があったのは六十五人(43%)、
死亡は四十四人(29%)だった。

 研究班代表の島根大医学部教授、山口清次さんは「幼児期に発症を防げば、正常な
発育が期待できる病気もある」と早期発見、予防の重要性を指摘する。厚労省は昨年
三月、都道府県などにタンデムマス法導入の積極的な検討を通知。見逃しが少なく、
早期治療の効果が高い十六種類を対象に挙げた。

 関東、中部地方では東京都や神奈川、千葉、岐阜県で新検査法を実施。三重県や滋
賀県などが本年度中の導入を予定するほか福井、石川の両県は数年前から、福井大の
パイロット検査に全県参加している。

 タンデムマス法の検査機器は一台約三千万円、維持管理費用が年間二百万円ほどか
かる。山口さんは「一台で五万~六万検体を処理できる。コストや精度管理を考えれ
ば、年間三万検体以上を分析できる広域連携が望ましい」と話す。出生数は年々減少。
三万人を超える都道府県は首都圏や愛知県など一部に限られるが、タンデムマス法を
導入したり、導入を予定する自治体は、機器を独自に購入するなど、連携の動きはほ
とんどない。

 代謝異常症は、数万~数十万人に一人というまれな病気で専門家が少ない。山口さ
んは、地域である程度の知識がある「中核医師」を決め、全国ネットワークを使って
確定診断や治療を早く進める体制づくりも提案する。

◆地域でのサポート必要

 相談体制などの充実を訴えるのは「先天性代謝異常症のこどもを守る会」代表の柏
木明子さん(39)=横浜市。

 柏木さんの長男(11)は、生まれた翌日に呼吸困難に。搬送先の新生児集中治療
室(NICU)の医師がすぐに代謝異常を疑って専門医につなぎ、一命を取り留めた。
少し発達の遅れがあり、大量の栄養剤を飲む必要もあるが、元気に小学校に通ってい
る。

 長男は、タンデムマス法で分かる有機酸代謝異常症の一つ「メチルマロン酸血症」
だった。同じ病気でも発症時に診断がつかず、重い障害を負ったり、命を落とすケー
スもあり、柏木さんらはこの検査法の全国実施を訴えてきた。

 希少疾患のため身近に相談相手がおらず、不安でいっぱいの家族も多い。新検査
で軽症や無症状の人も見つかるため、過度な食事制限をしたり、健康でも保険に入
れなかったりという事態も起こりうる。柏木さんは「地域でのサポート体制が必要」
と語る。

 代謝異常症の多くは「小児慢性特定疾患」のため、二十歳になって高額な医療費に
苦しむ人も。柏木さんは「新生児検査は、早期発見で子どもが生涯、幸せに暮らせる
ようにする事業のはず」と国と自治体の適切なサポートを求めている。

 <タンデムマス法> 「タンデム」は「直列に二つ並んでいる」、「マス」は「質
量」を意味する。二つの質量分析計が配置された検査機器は、血中のアミノ酸とアシ
ルカルニチンを分析し、1度に多種類の病気を検査できる。分析時間は1検体あたり
2分ほど。


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