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タンデムマススクリーニングによる新生児マススクリーニングの全国実施について

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2011年04月01日(Fri) 21:42 by drharasho

これまで限られた地域で行われてきた、質量分析機器(タンデムマス)による
新しい新生児マススクリーニング(タンデムマススクリーニング)について、
厚生労働省から、実施主体である都道府県・指定都市に対し、

積極的に検討する等適切に対応していただくようお願いする。」

と言う通知がだされました。

この通知に当たり、検査にかかる費用などは、地方交付税に算定された、
ということですので、
現行の新生児マススクリーニング(6疾患)と同様に、
検査費用は公費負担で行われ、全国どこで生まれた赤ちゃんであっても
今後は、均一のマススクリーニングが受けられるものと期待されます。

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雇児母発0331第1号
平成23年3月31日

都道府県
指定都市
母子保健主管部(局)長 殿

厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長

先天性代謝異常の新しい検査法(タンデムマス法)について

 フェニルケトン尿症等の先天性代謝異常、先天性副腎過形成症及び先天性甲状腺機能低下症は、
早期に発見し、早期に治療を行うことにより知的障害等の心身障害を予防することが可能である。

 このため、各都道府県及び政令指定都市(以下「各都道府県等」という。)におかれては、
新生児に対し血液によるマス・スクリーニング検査を実施し、疾病の早期発見・早期治療に取り
組んでいただいているところである。

 一方、厚生労働科学研究費補助金成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業(旧子ども家庭総合
研究事業)において、先天性代謝異常の新しい検査法であるタンデムマス法を用いた新生児マス・
スクリーニング検査に関して、研究を実施してきたところであり、今般、同研究事業において、
「タンデムマス等の新技術を導入した新しい新生児マス・スクリーニング体制の確立に関する研究」
(平成19~21年度、研究代表者:山口清次島根大学医学部教授)の報告書が取りまとめられた
ところである。

 同報告書においては、タンデムマス法を用いた新生児マス・スクリーニング検査によって、アミノ
酸代謝異常、有機酸代謝異常及び脂肪酸代謝異常の早期発見が可能となること、また、そのうちの
下記の16疾病については、見逃し例が極めて少なく、早期治療により心身障害の予防又は軽減が
期待できること等が報告されている。

 ついては、下記に留意しつつ、タンデムマス法を用いた新生児マス・スクリーニング検査を早期に
実施することが適当であると考えられる
ことから、各都道府県等におかれては、タンデムマス法を
用いた新生児マス・スクリーニング検査の導入を積極的に検討する等適切に対応していただくよう
お願いする。


 なお、新生児マス・スクリーニング検査を効果的に実施するためには、新生児マス・スクリーニ
ング検査の意義等について周知を図る必要があること、都道府県等と医療機関、検査機関等との
携体制の構築が不可欠である
こと、検査によって疾病であることが判明した児やその保護者に対す
保健指導等のきめ細かい対応に努める必要があること、検査精度の維持向上を図る精度管理の実
施体制の整備が必要である
ことを申し添える。



1.タンデムマス法を用いた新生児マス・スクリーニング検査の対象と考えられる疾病

(アミノ酸代謝異常)

・フェニルケトン尿症
・メープルシロップ尿症(楓糖尿症)
・ホモシスチン尿症
・シトルリン血症1型
・アルギニノコハク酸尿症

(有機酸代謝異常)

・メチルマロン酸血症
・プロピオン酸血症
・イソ吉草酸血症
・メチルクロトニルグリシン尿症
・ヒドロキシメチルグルタル酸血症(HMG血症)
・複合カルボキシラーゼ欠損症
・グルタル酸血症1型

(脂肪酸代謝異常)

・中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(MCAD欠損症)
・極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(VLCAD欠損症)
・三頭酵素/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症(TFP/LCHAD欠損症)
・カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1欠損症

2.タンデムマス法を用いた新生児マス・スクリーニング検査の実施にあたっての留意事項

(1)検査の効率的実施の観点から、検査対象人数とタンデムマス検査機器の処理能力を考慮して、
各都道府県等間の連携・協力が行われることが望ましいこと

(2)従来の検査法による新生児マス・スクリーニング検査の対象疾病であって、タンデムマス法
を用いた新生児マス・スクリーニング検査の対象とならない疾病については、引き続き、
従来の検査法を用いた新生児マス・スクリーニング検査を実施する必要があること


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