フェニルケトン尿症講座 病気の説明〜キッズページ〜

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自分の健康を守るために大切なことを知っておきましょう。
フェニルケトン尿症(PKU)は、毎日の食生活で気をつけることがいろいろとあります。栄養に関するむずかしい言葉を、分かりやすく説明します。


代謝(たいしゃ)

口から入った食べ物は、おなかの中で栄養素へと消化され、吸収されて血液の中に入ります。このように体の中に入った栄養素は、さらに化学反応によりそのかたちを変えて、エネルギーのもとになったり、からだをつくる材料になります。このように栄養素が順に形を変えていくこと(化学反応)を代謝(たいしゃ)といいます。もっとも代謝がさかんに行われている場所は肝臓(かんぞう)であるため、肝臓は「ヒトの化学工場」と呼ばれます。


栄養素

からだを活動させたり、からだの組織をつくったり、からだの調子をととのえたりしてくれる成分を栄養素といいます。たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つのグループにわけることができます。健康に生きていくには、この5大栄養素を食事でバランス良く食べる必要があります。この5大栄養素のほかに食物繊維(しょくもつせんい)も健康の維持に大切であるため、食物繊維を加えた6つの栄養素を6大栄養素と言うこともあります。


5大栄養素(その1)

炭水化物(たんすいかぶつ)

炭水化物には糖質(とうしつ)食物繊維(しょくもつせんい)があります。


【糖質(糖類・でんぷんなど)】
からだのなかで分解されてエネルギー源になります。


【食物繊維】

エネルギー源にはなりませんが、水分を含んでふくらみ、腸を刺激して便秘を予防します。また、からだに不要なものを吸着して便として排泄したり、糖質などが急に吸収されるのを防ぎ、糖尿病などの生活習慣病の予防にも役に立っています。

5大栄養素(その2)

脂質(ししつ)

食品に含まれる脂質はほとんどが脂肪ですが、栄養素の中で一番効率の良いエネルギーです。太るからといって脂質をいやがる人がいますが、脂質はからだの細胞膜をつくる成分がふくまれていて重要な栄養素です。

5大栄養素(その3)

たんぱく質

おもに筋肉や臓器、血液などをつくるもとやエネルギー源になります。フェニルケトン尿症(PKU)の場合、たんぱく質の量を制限されていますが、(フェニルアラニン以外の)たんぱく質が不足するので、ミルクで補っているのです。(フェニルアラニンの説明を読んでください)

*フェニルアラニン

体を作る大切な成分の一つがたんぱく質です。皮ふ、筋肉などは主にたんぱく質から出来ています。このたんぱく質はアミノ酸というさらに小さな物質が鎖のようにつながった構造をとっています。
たんぱく質を作っているアミノ酸は、全部で20種類あり、その1つがフェニルアラニンです。フェニルアラニンは体の中で作り出す事が出来ないので、たんぱく質などの形で食品からとる必要があります。一方、体の中でフェニルアラニンを代謝することは可能で、他のアミノ酸へと形を変えたり、アミノ酸以外の物質へと形を変えたりします。
フェニルケトン尿症(PKU)の場合、このフェニルアラニンを他のアミノ酸へと代謝する働きが弱いために、フェニルアラニンを含んでいるたんぱく質を食べると体の中にフェニルアラニンがたくさん貯まってしまいます。

5大栄養素(その4)

無機質(むきしつ)

カルシウム・マグネシウム・カリウム・鉄分・ナトリウム・リンなどのグループです。食品に含まれている量は少ないのですが、からだをつくり、からだの調子をととのえる大切な働きをしています。

*骨とカルシウム

カルシウムは骨や歯をつくる大切な栄養素ですが血液のなかにも存在しています。血液のなかのカルシウム濃度が低下すると、骨はカルシウムを血液の中へ放出し、カルシウム濃度を上昇させます。骨はこの代謝を繰り返す細胞と構造を維持する硬い基質(マトリックスといいます)からできています。骨は体を支える働きとカルシウムの貯蔵庫としての働きをしています。ですから、カルシウムの摂取量が減ると、骨から血液へカルシウムが移っていくので、骨が弱くなり、折れやすくなったりするのです。

5大栄養素(その5)

ビタミン

ビタミンは、他のたんぱく質、糖質、脂質などの栄養素の働きを助ける潤滑油の働きをします。ビタミンには多くの種類がありますが、いづれも私たちの体の中では作り出すことが出来ない物質なので、毎日の食事でとりつづける必要があります。ビタミンは、少量で働く物質で、不足すると各ビタミンに特有な症状が出ます。また、とり過ぎても症状が出ることがあるので、バランスの取れた食事でちょうどよくビタミンをとる必要があります。


低たんぱく食

それぞれの食品は、6大栄養素の含まれる割合が大きく異なっています。例えば、肉、魚、豆にはたんぱく質がたくさん含まれています。逆に果実や野菜には、たんぱく質が少なく、糖質やミネラルが多く含まれています。フェニルケトン尿症(PKU)の治療には、フェニルアラニンのもとになる、たんぱく質の摂取を少なくする食事が必要になります。これを低たんぱく食と呼びます。低たんぱく食にするためには、肉、魚、豆類を食べないようにし、野菜やいも類を多く取るようにします。低たんぱく食を食べていると、フェニルアラニンに限らず、すべてのアミノ酸も不足します。フェニルケトン尿症(PKU)の場合、元々フェニルアラニン濃度が高いので、低たんぱく食を食べていても、血中のフェニルアラニン濃度は極端には下がりませんが、他のアミノ酸はすぐに不足状態になります。したがって、すべてのアミノ酸の濃度をちょうど良く保つためには、低たんぱく食に加えて、フェニルアラニン以外のアミノ酸を補給する必要があります。この目的で作られているのが、治療用ミルクです。従って、低たんぱく食と治療用ミルクはどちらが欠けても治療はうまくいかないので、フェニルケトン尿症(PKU)の治療では両方を確実に行う必要があります。

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