フェニルケトン尿症講座 食事療法〜上級編〜

上級編

ガイドブックのサンプルのようには食事やミルクがとれません。大丈夫でしょうか?

ガイドブックの献立やサンプルは、あくまで1例です。お子さん1人1人でフェニルアラニンを代謝する能力に少しずつ異なります。従って、お子さんに適した治療は1人1人違ってきます。大切なことは、血中フェニルアラニン濃度が目標範囲に維持されていることです。ガイドブックに示されている例の通り、献立やミルク量を取ることではありません。


ガイドブック等に載っていない食品はどのように計算すればよいですか?

ファーストフード店のメニューにある食品や市販の加工食品などは、多くの場合、エネルギー量、たんぱく質含量などがメニューやホームページに表示されています。フェニルアラニンはたんぱく質の平均約5%含まれていますので、フェニルアラニンの大よその摂取量は、たんぱく質の含量から計算出来ます。例えば、ある加工食品1個(50グラム)にたんぱく質が1グラム含まれている場合、その食品を1個食べたとすると50 mgのフェニルアラニンを摂取したことになります。


特殊ミルクを飲むのを嫌がった場合はどうしますか?

特殊ミルクはフェニルケトン尿症(PKU)の治療に必要不可欠なものなので、乳児期早期の味覚があまり発達していない時期から、治療用ミルクの味を記憶させる必要があります。母親がこのようなミルクを飲ませて大丈夫かとうい不安を抱えていると、お子さんは飲んでくれなくなります。特殊ミルクを信じて小さいころから飲ませることが必要です。


カロリーを取っているので太りませんか?

適切な食事療法が行われているフェニルケトン尿症(PKU)患児では、肥満が問題となることは殆どありません。


治療食は一ヶ月どの位かかりますか?

PKUのお子さんに必要な治療食は、基本的には①治療用ミルク、フェニルアラニン無添加アミノ酸粉末あるいは低フェニルアラニン・ペプチド粉末、そして②市販の低タンパク食品です。①の治療用ミルクやアミノ酸粉末は公費およびメーカー負担により、または、医薬品であっても保険の自己負担分が小児慢性特定疾患治療研究事業の公費でまかなわれることにより 20歳までは無料です。20歳を越えると保険の自己負担金が必要になります。②の低たんぱく食品は取り扱いメーカーにより多少の価格差はありますが、低たんぱくご飯(180グラム:大人用お茶碗1杯分)、低たんぱくうどん(200グラム:1玉)、低たんぱく(100グラム:1人前)、低たんぱく食パン(100グラム:2枚)は200円くらいです。例えば、1日3食分の主食にこれらの低たんぱく食品1人分を使用すると、1ヶ月で1,8000円(200円×3食×30日)くらいになります。


治療食はどこで売っていますか?

低たんぱく食を実現し、しかもいろいろな食品や料理を食べられるようするために、たんぱく質の少ない食品や食材が販売されています。これらの治療用食品のリストと取扱い業者の名前とその連絡先の一覧が「食事療法ガイドブック~改訂版2008」(編集、特殊ミルク共同安全開発委員会)の65~108ページにまとめられています。また、フェニルケトン尿症(PKU)の治療を受けている病院の栄養士さんが相談に乗ってくれます。フェニルケトン尿症(PKU)親の会では、低たんぱくでしかも美味しい料理の調理法を定期的に会員に紹介しています。


ミルクを飲めないのですがどうしたらいいですか?

治療用ミルクには独特の風味があるため、治療用ミルクを嫌うお子さんもいます。しかしながら、治療用ミルクはフェニルケトン尿症(PKU)治療の基本となるもので、他に代わるものがありません。最も大切なことは、味覚の完成しない乳児早期から治療用ミルクに慣れさせることです。他に選択肢のない現在、治療用ミルクを飲むことの必要性と重要性を十分理解し、根気強く治療用ミルクを与え続けることが重要です。

初級編