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フェニルケトン尿症講座 成人編

大人になったら…

大人になった場合、Phe値をどのくらいで維持できればよいですか?

維持目標は、血中フェニルアラニン濃度が、3~15 mg/dlの範囲です。妊娠・出産を考えている場合は、この維持目標が厳しくなり、1~4mg/dlという厳しい維持目標が設定されています。これは、マターナルフェニルケトン尿症(PKU)の予防のために必要になります。


女性は何歳頃からマターナルPKUを意識すればいいですか?

マターナルフェニルケトン尿症(PKU)の予防のためには、妊娠前から厳しい基準による食事療法が必要になり、妊娠が分かってから食事療法を行っても間に合いません。従って、妊娠可能な年齢になったらお子さんにマターナルフェニルケトン尿症(PKU)の存在と予防法を理解して頂くことが必要です。


治療用ミルクはいつまで飲めばいいですか?

基本的に生涯に渡り食事療法が必要になります。成人になると維持すべき血中フェニルアラニン濃度は小児期に比べて高くなり、食べられる食品も多くなります。しかしながら、大部分のフェニルケトン尿症(PKU)患者さんの場合、食事制限が不要になることはありません。従って、フェニルケトン尿症(PKU)治療の二つの基本である、①低たんぱく食、②フェニルアラニン以外のアミノ酸の補給、が生涯必要になります。②は治療用ミルクが基本となるので、多くの患者さんは成人になっても治療用ミルクを使用しています。治療用ミルク以外で②の目的を達する方法として、フェニルアラニン無添加アミノ酸粉末があります。これを他の食品や料理に混ぜて摂取します。アミノ酸末には特有の味や臭いが有るので、これらを抑えた低フェニルアラニン・ペプチド粉末もあります。アミノ酸末の場合、フェニルアラニン含量は0ですが、ペプチド粉末の場合、僅かながらフェニルアラニンが含まれます。


食事療法はいつまで続けますか?

食事療法は、生涯続ける必要があります。成人になって食事療法を中断した場合、無気力や活動性低下などのうつ病に似た症状、頭痛、多動、などの症状が出てくることが分かっています。


20歳以上になったら、治療費はどうなりますか?また、通院の補助は受けられますか?

一般の健康保険の適応になりますので、治療費の3割が自己負担となります。治療用ミルクの費用は、個人差はありますが月に約5万円程度で、その3割負担で月約1万5千円の自己負担となります。(これには、血中フェニルアラニン濃度測定のような検査費用や、低たんぱく米のような市販の治療用食品にかかる費用は含んでいません。)保険の自己負担額が特定の額以上になると、病院や薬局に支払った医療費が戻ってくる制度(高額医療制度)があります。この制度が受けられるかどうかは、所得により変わりますので、かかりつけの病院に相談しましょう。通院にかかった費用を補助する制度は有りません。