レボチロキシンナトリウム安定供給対策委員会(T4委員会)の設立と活動について

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2011年03月23日(Wed) 03:12

【臨時便】日本小児内分泌学会メールニュース  **2010-17**  2011/3/22**

レボチロキシンナトリウム安定供給対策委員会(T4委員会)の設立と活動について


T4委員会
横谷 進、原田正平、皆川真規

 「東北地方太平洋沖地震に関わる小児甲状腺疾患診療プロジェクトチーム
(震災小児甲状腺PT)」が3月17日に発足し、「甲状腺ホルモン薬の供給問題」も
重要課題のひとつとなっていますが、この問題は一学会に限られた問題ではなく、
当該製薬会社、厚生労働省、関連学会など多くの関係者が存在していることから、
震災小児甲状腺PTとは別組織の「レボチロキシンナトリウム安定供給対策委員会
(T4委員会)」が問題解決に当たることになっています。
このT4委員会の設立の経緯とこれまでの活動報告を致します。

 今回の地震により福島県いわき市にある「あすか製薬株式会社(あすか製薬)」
のいわき工場が被災し、津波やその後の東京電力福島第一原子力発電所事故
対応などの影響(直線距離で約50km超)で、操業停止が続いていました。あすか製薬
はレボチロキシンナトリウム(T4製剤)の国内シェア98%を占め、しかも、いわき工場
1箇所で生産していたため、早期の供給再開が重要な問題となりました。
この間、全国保険医団体連合会が「チラーヂンS の緊急輸入・海外支援要請を
緊急に求める」要望書を政府に提出(3月16日)するなどの動きはありましたが、
関連学会の連携は未だありませんでした。

 3月17日にドイツのボランティアよりのT4製剤提供という申し出があり、日本甲状腺
学会でその対応を検討した結果、同学会小児系理事である原田委員が窓口となって、
日本小児内分泌学会、日本甲状腺外科学会とワーキンググループを作るという提案が、
山下俊一・甲状腺学会理事長よりなされました。それをうけ、横谷進理事長が他の関連
学会(日本内分泌学会、日本内分泌外科学会)の理事長とも相談して、たんに外国よりの
輸入窓口になるのではなく、T4製剤の安定供給対策を包括的にとりまとめる組織の
設立を提案し、それが5学会理事長(※)に承認されて、レボチロキシンナトリウム安定
供給対策委員会(T4委員会)設立となりました(3月18日)。

(※)関連学術5団体:日本内分泌学会(森 昌朋理事長)、日本甲状腺学会(山下俊一理事長)、
日本甲状腺外科学会(高見 博理事長)、日本内分泌外科学会(高見 博理事長)、
日本小児内分泌学会(横谷 進理事長)

 日本小児内分泌学会では、T4製剤不足の問題が公に明らかになる以前に、
震災小児甲状腺PTの立ち上げを始めていましたので、役割の重なりを避け、
かつ迅速な対応をするため、T4委員会をT4製剤の安定供給に特化させ、横谷理事長と
原田委員が所属する国立成育医療研究センターを事務局とし、震災小児甲状腺PTの
リーダーである皆川真規小児内分泌学会理事を委員に加える体制としました。

 その後は、T4委員会があすか製薬との情報共有の窓口となり、5学会に情報提供を
行い、現時点で4月中旬とされる供給再開時期まで、T4製剤の不足を起こさないよう、
長期処方の自粛及び分割調剤の勧め、新生児、乳幼児などへの優先処方の依頼などを
5学会を通して呼びかけています。

                                                  以上

【添付ファイル】


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