避難所では「できるだけ母乳を」 感染症を予防 心の安定にも 小児科医ら奨励

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2011年04月02日(Sat) 19:36

避難所では「できるだけ母乳を」 感染症を予防 心の安定にも 小児科医ら奨励

産経新聞 3月31日(木)15時18分配信



避難生活が続く被災地。小児科医らは乳児の母親に母乳を奨励している
=仙台市若林区の七郷小学校(矢島康弘撮影)(写真:産経新聞)

 終わりのめどが立たない避難生活。乳児を抱え避難する母親に小児科医らが、感染症予防
の観点から「できるだけ母乳を与えて」と呼びかけている。

 避難所ではインフルエンザなど感染症の流行が懸念される。特に乳児や高齢者らは感染が
深刻な症状を招きかねない。「日本母乳の会」の役員で小児科医の堀内勁(たけし)氏は、
母親の血液からできる母乳にはリンパ球などの白血球が多く殺菌力があり、感染症予防に
役立つ-として母乳を奨励する。

 「乳首から直接吸わせることで安心感を与えるだけではなく、母親にもオキシトシンと
いうホルモンが分泌され、心の安定につながる」

 乳児だけでなく、震災のショックで“赤ちゃん返り”した幼児についても「4歳くらい
までなら、母乳がでない場合でもおっぱいを吸わせてほしい。震災直後の今、少しでも不
安を解消することが後の心の安定につながる」という。

 被災地では母乳が出にくくなった母親も増えており、同会は「根気よく吸わせ続ければ
必ず回復する。母乳を出すためにも周囲の人は母親に優先的に食事を回してほしい
」と訴
える。

 一方、粉ミルクで授乳している乳児には、使い捨ての紙コップの利用を奨励する声が高
まっている。

 別の小児科医は「避難所では、消毒が必要な哺乳瓶の衛生管理が難しい。災害時は使い
捨ての紙コップを利用するのが一番安全
」と話す。

 さらに

(1)赤ちゃんの手が紙コップにぶつからないようにタオルで赤ちゃんを包む

(2)赤ちゃんを縦抱きにする

(3)紙コップ内に少なくとも半分以上の乳汁を入れる

(4)赤ちゃんの口元で紙コップを少し傾け、2、3滴を目安に流し込む-という手順を紹介。

3割以上はこぼれるので、多めの乳汁を用意する。コップを下唇に軽くのせ、上唇が乳汁に
触れるようにするのがいい」
と助言する。

 避難所で水道水が手に入らず、ペットボトルのミネラルウオーターを使う場合は注意が
必要だ。カルシウムやマグネシウムといったミネラル成分は赤ちゃんの腎臓に負担をかけ
てしまう。

 堀内氏は「50~60程度の硬度の低いものが最適だが、硬度100程度のものでも、
10分ほどぐらぐら沸騰させればミネラル分が低下するので調乳に使える」と話している。


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