東日本大震災被災地における調査・研究に関する緊急声明文

このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年04月28日(Thu) 17:46

具体的にどこの誰によって、どのような調査が行われている、
あるいは行われようとしているのかわかりませんが、
科学的妥当性のない、不要な、あるいは弊害のある調査について、
警告が発せられています。

-----------------------------------------------------------------------------------
東日本大震災被災地における調査・研究に関する緊急声明文

社団法人日本精神神経学会
理事長 鹿島 晴雄

2011年4月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
---------------------------------------------------------------------

この度の東日本大震災によって被災されました皆様に、お見舞いを申し上げますとともに、
亡くなられた方々へのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 被災地の皆様は大変な思いを持ちながら、復興に向けて懸命のご努力をされていることと
存じます。日本精神神経学会と致しましても、「災害対策本部」を発足させ、被災地の
精神医療支援に必要な情報を収集し、精神医療関連諸団体から派遣される「精神医療支援
チーム」の後方支援活動を実施しております。

 「精神医療支援チーム」は、被災者の方々が現在、どの様な心身の状態でおられるかを
確認し、心身の健康を保つための方策と、心の健康が既に損なわれていると判断された
方々には適切な治療方法を、各被災者の方々の実情にあわせて提供するお手伝いをして
おります。

 一方、「心の状態に関する調査・研究」といった形で、精神的に傷つき、心身ともに
疲弊しておられる被災者の方々を対象として、配慮を欠いた面談やアンケートによる
「心の状態に関する調査・研究」が行われている実態があります。

 人を対象とした全ての「調査・研究」は、「疫学研究に関する倫理指針」、「臨床研究に
関する倫理指針」等の政府省庁が定めた倫理指針に則り、倫理委員会によって、その倫理性
や研究としての科学性に関して審議の上で承認を受け、承認内容に則して実施する必要が
あります。
ところが、被災地で行われているこのような調査・研究の中には、この様な
倫理的配慮がなされておらず、また、調査対象となった各被災者の方々に援助も提供しない
ものがあります。

 過酷な状況下におかれている被災者の方々は、「心の状態に関する調査・研究」の対象と
なった結果、一層の精神的負担を負い、傷ついた心の回復が遅れる、あるいは新たな心の
傷を負うことが危惧されます。また、配慮を欠いた「調査・ 研究」が行われたために、
被災者の方々が心を閉ざし、本来必要な「精神医療支援チーム」の活動にも支障が生じて
おります。

 日本精神神経学会は、被災者の方々に不適切な精神的負担を強いる、倫理的配慮を欠いた
調査・研究は、人道・倫理に反するものであり、強く抗議の意を表明するとともに、即刻の
中止を求めます。
また、人を対象とした全ての調査・ 研究に関し、政府が策定した倫理
指針に則り実施されることを改めて確認させて頂きます。


-------------------------------------------------------------------------
配信・解除依頼は info@medg.jp までメールをお送りください。
手続きに数日要することがありますので、ご了承ください。
今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨
ご紹介いただけましたら幸いです。
MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp


「被災地の健康情報」一覧に戻る