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先天性甲状腺機能低下症と新型インフルエンザワクチン

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2009年11月03日(Tue) 07:45

5月25日に一度、先天性甲状腺機能低下症と新型インフルエンザについては書いていますが、 新型インフルエンザワクチンの優先対象者の中に、甲状腺機能低下症のことがでていますので、 少し説明します。 新型インフルエンザワクチンQ&A 新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準 甲状腺機能が正常化していない甲状腺機能低下症は感染を契機に Myxedema Coma(粘液水腫昏睡)に陥る可能性があるため、優先対象とする。 粘液水腫昏睡(ねんえきすいしゅこんすい)というのは、 甲状腺機能低下症の最重症型というべきもので、 メルクマニュアル家庭版には以下のように記載されています。 「治療しなければ、甲状腺機能低下症は貧血、低体温、心不全を結果として引き起こします。 この状態は錯乱、意識喪失や昏睡(粘液水腫昏睡)を生じ、呼吸が遅くなり、発作や脳への 血流が低下する致死的な合併症に進行することがあります。粘液水腫昏睡は、甲状腺機能低 下症の人が寒さなどの身体的ストレスを受けたり、感染症、外傷、手術、脳の機能を抑える 鎮静薬などの薬剤がきっかけで起こります。」 きちんと治療を受け、甲状腺機能が正常となっている、先天性甲状腺機能低下症のお子さんが、 「粘液水腫昏睡」が起きることは、あり得ないことです。 その意味で、先天性甲状腺機能低下症のお子さんは、優先接種対象者とはなりませんが、 新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準 には、甲状腺機能異常症については、 <甲状腺機能亢進症> 初発・再発を問わず、機能亢進状態又は機能正常化後6か月以内の児。 と書かれています。 これは先天性甲状腺機能低下症とは逆の状態で、 病状が安定していないときに、「甲状腺クリーゼ」(thyroid crisis)という、 異常な甲状腺機能亢進状態となって、生命の危機となることがあるので、 優先対象者としたものです。 先天性甲状腺機能低下症と関連あるものとして、 「どの分野にかかわらず、小児慢性特定疾患受給者証を持参している方。 特定疾患対策事業の対象疾患受給者証を持参している方。」 とも書かれていますが、これも万が一のことを考えて、 「希望する」対象者を広げていると考えて下さい。


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