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新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の改訂ガイドライン

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2010年08月25日(Wed) 11:26

人の体というのは常に外からの力にさらされて、
小さなを傷つくっていますが、そこからの出血で大事にならないのは、
血液が凝固(固まること)して、出血を止めているからです。

ただ血管内のあちこちで固まってもらっては困るので、
一定の手順で凝固するような仕組みとなっていて、
その際に必要な物質を「凝固因子」といいます。

主な凝固因子には発見順にローマ数字で番号がふられていて、
有名な凝固因子は第VIII因子で、これが生まれつき欠損していると、
血友病Aという出血しやすい病気となります
(学問の進歩で後から発見された因子が、
以前のものと同じ事が分かったりして欠番ができています)。

凝固因子の中で、第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子を作るために、
ビタミンKが必要なのですが、一部の赤ちゃんは、
生まれつきビタミンKが不足していて、
そのため新生児ビタミンK欠乏性出血症による、
皮膚出血、腸管出血を起こします。

また生後3週から2か月までの母乳栄養児は、
乳児ビタミンK欠乏性出血症を起こす危険性があり、
その8割以上が頭蓋内出血という重い合併症を起こします。

そこで、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症を予防するため、
ほとんどの先進国では、生まれてすぐの赤ちゃんに、
予防的にビタミンKを投与するように勧告されています。

これまで日本では生まれてすぐ・産科を退院する前・生後1か月の
あわせて3回、ビタミンK2シロップという形で飲ませるよう、
指導されていましたが、その方法でも発病した赤ちゃんがいたこと、
欧州の多くの国ではもっと回数多く投与されていることから、
日本小児科雑誌の8月号に
「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の改訂ガイドライン」が載りました。

このガイドラインを実行するためには、
ビタミンK2シロップの家庭での投与が必要です。

これはビタミンK2シロップ個別包装製剤が認可されてはじめて可能となります。
 現在、日本小児科学会および関連学会は、個別包装製剤の早期承認を
求めているところですが、認可時期は未定です。

日本小児科学会のホームページに、
以上の注意点が載っています。

これまでとの大きな違いは、産科退院後は、週1回、
生後3か月まで毎週、ビタミンK2シロップを飲ませるよう、
指導方法が変わったと言うことです。
・・・とくに母乳栄養の場合は必須ですが、
上記のように新しい薬が販売されるまで
少し待たなくてはならないようです。

なお、学会誌のガイドラインをPDFファイルとして載せましたので、
どうぞ参考にして下さい。

【添付ファイル】


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