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小児内分泌専門家の医師(聖徳大学児童学部児童学科教授 原田正平先生)のコラムや、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)をはじめ小児科関連に関する情報やサービスを掲載します。

牛海綿状脳症(BSE)スクリーニング検査と新生児マススクリーニング検査

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2009年07月18日(Sat) 10:13 by drharasho

ほとんどのかたが記憶の片隅に追いやってしまっているだろう「牛海綿状脳症(BSE)スクリーニング検査」の検査数と結果が厚生労働省のホームページで報告されています。 牛海綿状脳症(BSE)スクリーニング検査の検査結果について(月報) 平成20年度の結果では、検査対象頭数が1,241,752、結果は全て陰性。平成13年10月から検査が始まり、平成14年度からは毎年約120万頭が検査され、1年間陰性だったのは平成20年度が初めてのようです。 1頭あたりの検査費用がどれくらいかはわかりませんが、日本の新生児出生数とほぼ同数であるのは、なにか示唆的です。 新生児マススクリーニングは1977(昭和52)年から全国一斉に開始されましたが、今は「廃止」されてしまった「厚生省児童家庭局長通知」により、都道府県・指定都市の事業として始められ、地方自治体3分の2、国が3分の1の費用負担で行われていましたが、「地方分権」の流れによって、2001(平成13)年度から国の負担分が一般財源化されたことで、「国」は無関係という認識(厚生労働省雇用均等・児童家庭局)になっています。 そうして大阪府が補助金を廃止しようとしたのは記憶に新しいところです。 「安全・安心」の名の下に検査費用が国庫補助で行われている「牛海綿状脳症」と、地方自治体に検査費用が全面移管されたことで、いつでも廃止されかねない「新生児マススクリーニング」。 「少子化対策」が重要と言いながら、政治家や行政の目(や頭)がどこに向いているのかを象徴するような数字だと思われます。


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