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小児内分泌専門家の医師(聖徳大学児童学部児童学科教授 原田正平先生)のコラムや、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)をはじめ小児科関連に関する情報やサービスを掲載します。

どうして子どもと妊産婦さんの病院に禁煙外来があるのでしょうか。

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2010年05月13日(Thu) 17:05 by drharasho

成育すこやかジャーナル     No.53(2007/5/10)

●どうして子どもと妊産婦さんの病院に禁煙外来があるのでしょうか。
               総合診療部 成人期診療科・禁煙外来担当 原田 正平

  国立成育医療センターに禁煙外来があるのはご存知でしょうか。
  主に子どもと妊産婦さんが通院する病院に「禁煙外来」があるのは不思議に思われる
かもしれませんが、実は「子どもをタバコの害から守る」ためには「子どもと妊産婦さ
んが通院する」医療施設(病院やクリニック)にこそ「禁煙外来」が必要なのです。今
回はその理由をご説明したいと思います。

  厚生労働省が行っている「21世紀出生児縦断調査」(第5回調査、2006年11月公
表)によりますと、父母と共に同居している37,356名の子どものうち、父母のいずれ
かが喫煙している割合は55.6%となっています。つまり子どもの2人に1人は、家庭
内で「受動喫煙」による健康被害を受けている恐れがあることになります。
  一方、ある製薬会社が喫煙者7,091名を対象に2006年中に禁煙を試みたかどうか調
査したところ、そのうち23.8%が禁煙に挑戦し、禁煙が続いているのはその中の
47.4%という結果がでています。その方達の禁煙方法は、49.5%が「気合いとガマン」、
42.7%が「水やガムなどで気を紛らわした」、20.3%が「タバコを捨てた」と続き、わ
ずか2.2%だけが禁煙外来を受診し、その場合の禁煙成功率は69.2%でした。

  受動喫煙(2003年5月に施行された健康増進法第25条の定義では、「受動喫煙」と
は「室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをい
う。」とされています)の子どもへの有害性をまとめると次のようになります。
1)受動喫煙は、タバコを吸わない子どもと大人の寿命を縮め疾病の原因となる。
2)受動喫煙を受けた子どもは、乳幼児突然死症候群、急性呼吸器感染症、耳の病気、
重症気管支喘息のリスクが高まる。親の喫煙は、子どもの呼吸器症状を増やし、肺の成
長を遅らせる。

  このように子どもが有害な受動喫煙に曝されることから守られるためには、子どもの
周りが完全禁煙となることが望ましく、その第一歩は家庭から始まります。しかし、喫
煙されるかたの多くは、禁煙の上手な方法をご存知ありません。
  2006年4月から、「敷地内禁煙」となっている医療機関では「禁煙外来」での保険
診療が可能となりました(ただし一定の条件を満たした場合です)。国立成育医療セン
ターでも「子どもとお腹の赤ちゃん」をタバコの害から守るため、お父さんやお母さん
の禁煙のお手伝いをしたいと考え、禁煙外来を始めているというわけです。

  毎週月曜日の午後2~5時、予約制で行っていますので、お子さんの担当の先生を通
して予約して頂くか、予約センター(月~金9時~17時、(直通)03-5494-7300)に
お電話してみてください。


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