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小児内分泌専門家の医師(聖徳大学児童学部児童学科教授 原田正平先生)のコラムや、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)をはじめ小児科関連に関する情報やサービスを掲載します。

放射能被爆と甲状腺機能低下症

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2011年03月13日(Sun) 09:22 by drharasho

東日本大震災に引き続いた、福島県での原子力発電所のトラブルが
危機的な状況にあります(2011年3月13日現在)。

最悪の場合、旧ソ連でのチェルノブイリ発電所事故のような、
原子力事故となり、広範囲の放射能被爆が起きる恐れがあります。

その場合、放射性ヨードによる体内被爆(ひばく)防止が、
最も重要な対策となります。

そのことについての質問メールをいただきました。
お返事を出したのですが、届いたかどうか分かりません。

質問を下さった方以外にも必要な情報ですので、
順次情報提供させて頂きます。
質問がありましたら、どうぞ「問い合せ」機能を利用して下さい。

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ご連絡有り難うございます。
被災地でたいへんな状況と思います。

原子力事故の場合の、被爆対策として、
唯一可能なことは、放射性ヨードを体内に入れないように、
過剰のヨード(ヨウ素)を経口摂取して、
甲状腺に放射性ヨードが、取り込まれないようにすることです。

先天性甲状腺機能低下症の場合は、
その原因(病型)にもよりますが、
自分の甲状腺に放射性ヨードを取り込ませない対策は必要です。

過剰ヨードが甲状腺に取り込まれますと、
甲状腺内での甲状腺ホルモン合成が抑制されますが、
先天性甲状腺機能低下症の場合、
薬として甲状腺ホルモン薬を服用しているわけですから、
その場合の、ホルモン不足はあまりおきません。

むしろ、一般の子どもの場合、
過剰ヨード経口摂取により、
一時的に甲状腺ホルモン合成が抑制され、
甲状腺機能低下症が起きる恐れがありますので、
先天性甲状腺機能低下症ではない、
お子さんのほうが、過剰ヨード服用後に、
甲状腺機能検査を行って、
甲状腺機能低下症が起きていないことを
確かめる必要があります。

そして、万が一、
甲状腺機能低下症が起きていた場合は、
過剰ヨードの影響が無くなるまで、
甲状腺ホルモン薬(チラーヂンS)を服用し、
甲状腺機能を正常化させておく必要があります。

こども健康倶楽部に上記情報に加え、
詳しい情報を載せていきますので、
どうぞ参考にして下さい。

他に必要な情報がありましたら、
いつでもご連絡下さい。

お子さんを含め、ご家族の無事、
災害からの早期復旧を祈っております。


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