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小児内分泌専門家の医師(聖徳大学児童学部児童学科教授 原田正平先生)のコラムや、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)をはじめ小児科関連に関する情報やサービスを掲載します。

宮城県立こども病院の現状

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2011年03月15日(Tue) 15:51 by drharasho

宮城県立こども病院の病院長の林先生からの情報です。
まさに今の状況がよくわかります。

どうかこの現状を踏まえ、被災地の小児医療体制への支援を考えてください。

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日本小児総合医療施設協議会
会員施設長 様
各部会部門長 様

宮城県立こども病院の林  富です。
3月11日午後2時46分の大震災から5日目になりました。
協議会のMLを使わせて頂き、
宮城県立こども病院の状況をお知らせ致します。
MLをチェックしておりませんことをご承知おき下さい。

3月11日14時46分の大地震。
こども病院は正面玄関前のアーケードが倒壊した他には、免震構造のお陰で人も建物
も被害はありませんでした。
アーケードは、幸い当院の外側に向かって倒れ、それによる人的被害もありませんで
した。午前中でしたら、子供たちとご家族が多く歩いており、被害があったので
ない かと胸をなで下ろしています。

停電で非常電源が作動しましたが、自家発電機の燃料(ガス、ガソ リン)が数日しかも
たないため、はじめはレスピレータやECMO をどうやって維持するかが最大の問題でし
た。
近隣の本管に繋がる中圧管と繋がっており、その中に残った市ガスを節約して使い続
けることで機能を維持できました。
市ガス自体は復旧まで1ヶ月かかるのではないかという見通しです。
このため、暖房が効かず、寒さが辛いところです。

3月12日の朝九時半頃にダウンしていました、インターネット、メールが、14日11
時45分に復旧しました。

3月15日朝の時点で固定電話が復旧していません。
このような状態で、情報交換に大きな支障を来しています。
そのため、県庁、大学病院、市立病院、拓桃医療療育センターなどにスタッフを派遣 し、
情報収集と交換に努めています。

3月13日午後3時頃、私も県庁と拓桃医療療育センターに行ってきました。
県庁の1階2階のロビーと廊下に多くの方が毛布一枚で避難しておられます。
2階の災害対策本部も雑踏のようでした。
本部の、医療整備課は、情報収集がうまくいってません。
やっと病院リストができてきた状態でした。
14日は情報が集まり始めました。

13日深夜11時58分、ガスが切れる前にこども病院の電力復帰しました。
歓声があがりました。
ただし、使用量に制限があり、パワーは通常の60%程度です。制限しながら、重要アイ
テムから稼働を始めたところです。
医療情報システムは正常の4分の1(200~250KW)から起動を開始しました。
15日は、外来、検査、医事業務など、オーダーリングシステムは先週火曜日の状態を
想定して、動かしています。
これにより、医事課機能が大幅にアップします。

放射線部は一般撮影とCTが可能になりました。
検査部は機能アップ中です。
骨髄バンクから地震直後に届いた幹細胞は、液体窒素で保存し、バックアップ態勢が
整ったら実施する予定ですが、液体窒素が確保できるかどうか心配です。
今のところ、あと7日ぐらい(3月20日ぐらいまで)もちそうです。

昨日、地元のマックの方が、1,000個のはんばーがーを届けて下さいました。
患者、付き添い家族、職員の食事の確保が大変に大きな課題になっています。


ガス復旧は三週間から、1ヶ月かかりそうです。
ガスが来ないので、暖房が効きません。
夜の寒さがつらいところです。

宮城県立こども病院地震の建物、機能は100%維持されています。
職員の安否を確認し、大丈夫でした。
心配は、東北各地から来ている職員の家族の安否です。
陸前高田出身の看護師がこれから車で行ってたいということでした。
また、避難所生活の家族が多く、職員が山形などの実家に送り届けています。

ガソリン救急が極めて制限されており、通勤ができません。
ガソリンスタンドで6時間待ちだそうです。
夜中から長蛇の列を作っています。
この先どうなるのでしょうか。

多くの看護師が帰宅せず、替わりの看護師が来られず、二交代にしたりして凌いでい ます。
地震後四日目になり、疲れも溜まっていますが、みんな頑張っています。
職員住所別の乗用車有効利用相乗りシステムを考えています。

本日、職員向け臨時院内託児所設置を指示しました。
これによって子連れ職員が勤務可能になります。
院内保育所がなかった当院の弱点を何とか解決し、女性職員が勤務できる環境を作り ます。

それにつけても院内食事の確保です。
付き添いのご家族に昼間、一家が来られて過ごす状態も見られます。
避難所生活は大変に厳しいので、比較するとこども病院は大変に恵まれた場所になっ

 ています。

こども病院への患者ですが、通常の二倍~三倍程度です。
どっと増えない原因は
1)海岸線のあまりの重大な被害で、ここまで送ることができない。
2)個人が車で来ることが難しい
3)こども病院が受け入れることができるという情報がなかった。

外来は、
救急は軽症から中等症、
一般外来は、必要な治療と薬剤が必要なかた
と、テロップなどを流しています。
その効果がかなり見られ、増えています。

阪神淡路大震災によると、1週間目ぐらいから小児はどっと増えたそうです。

手術は一列プラス緊急一列の二列態勢ですが、手術機器の滅菌が制限されています。

 これも改善しつつありますが、長期戦対応が心配なところです。

手術枠の通常復旧(三列同時)には時間がかかりそうです。
手術一列で100KW以上の電力が必要です。
心カテ治療は、短時間最大150KW必要になります。
計算しながら枠はめを考えています。
今回、初めて知ったことが沢山あります。

医師55名は、院内に沢山滞在して受け入れ態勢はできていますが、現状は医師余りの 状態です。
気仙沼市立病院に本日、大学病院姪6名とこども病院2名の小児科医8名が出かけます。
石巻赤十字病院、栗原病院も小児科医が不足して困っており、派遣の予定です。

東北大学は手術制限があります。
外来棟、研究棟、臨床研究棟、いずれも40年程度の古い建物ですので、損害も少なく なかったようです。
大学も小児外科は医師余りです。
最大に機能しているのは、多分、仙台市立病院、次ぎに仙台医療センター、JR病院だ と思います。
情報が入らない、管理ができていない悲惨な病院もあります。

肢体不自由児施設の拓桃医療療育センターは、電気が復旧しておらず、本日電源が切 れるという情報です。
レスピレーター管理4人が、14日、15日で大学と当院に割り振られます。

産科受け入れは県内で厳しい状況で、妊婦難民の状態です。
大学の八重樫伸生教授とも相談し、こども病院近隣をこども病院がトリアージを行い、 受け入れるものは
受け入れ、無理なら山形県中にそのまま搬送することになっ
てます。 当院の産科は妊婦が普段の三倍ぐらい受診しており多忙です。

外傷は市立病院に御願いしています。
市立病院も13日以降、それほど患者はきていません。
全体に、搬送がうまくいってないようです。
これから増えるのではないかと思われます。

できることは何かと意見を出し合い、
当院の余力の小児科医が救急車で避難所を回ることも考えていますが、薬品確保と、
報不足のため、宮城県対策本部がネットワークを作れないのがネックになっていま す。

入院患児の食事の確保、付き添い食の確保、職員の食事の確保も大変です。

毎日調達に周り、業者にも御願いしています。

粉ミルクの確保も大変です。

取り合えず、7日ぐらいの食事を確保しました。

薬剤確保も大きな問題です。

院外処方を受ける薬局の確保と薬局の機能がどうか、も問題です。

14日は近くの院外処方薬局が開き、大変助かりました。

こども病院は被災地の病院の中では、非常に良いほうだと思います。

今週いっぱいは日常診療(予定検査・手術)をストップし、24 時間の救急対応(一次を含む)
を行う予定です。

ただし、来週改善する目処は全く無く、必要物品が補充されず、食材が入手できずを
大変に心配しています。

原発のニュースも心配です。
福島原発から仙台まで、丁度100キロ離れています。
避難勧告がどうなるのか。
そんなことも頭の中にあります。

急ぎのため、整理不充分の乱文ですが、どうぞご了解下さい。


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