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小児内分泌専門家の医師(聖徳大学児童学部児童学科教授 原田正平先生)のコラムや、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)をはじめ小児科関連に関する情報やサービスを掲載します。

放射線被曝に関する質問

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2011年03月15日(Tue) 18:41 by drharasho

福島県の原子力発電所事故で、放射線被曝に関する質問が寄せられています。
すでに情報提供はしていますが、改めてQ&Aを載せておきます。

このたびの原発事故のニュースを聞き、
甲状腺機能低下症患者が受ける放射能の影響について気になることがあり、
質問させていただきます。

Q1:放射能被爆の可能性が高い地域で、安定ヨウ素剤を経口摂取していない場合、
甲状腺機能低下症の患者の方が、そうでない人よりも放射性ヨードの影響を受けやすい
(発ガンしやすいなど)ということはありますか。


A1:先天性甲状腺機能低下症のお子さんの場合、病気のタイプにもよりますが、
一般には自分の甲状腺にヨードを取り込むことが、病気のないお子さんより、
弱い状況にあります。その意味で、被害を受ける恐れは低くなります。

ただし、甲状腺ホルモン薬をきちんと服用していない場合、
ヨードの甲状腺への摂取が非常に多くなるタイプ(病型)がありますから、
一番大事なことは、現在の薬をきちんと服用することです。


Q2:また、過剰ヨードを摂取した場合の副作用がありましたらお教えいただきたく存じます。

A2:過剰ヨードを摂取した場合の、一番の副作用は、甲状腺機能低下症が
引き起こされることです。

先天性甲状腺機能低下症のお子さんでは、外からの甲状腺ホルモン薬を投与されていますから、
病気のないお子さんが甲状腺機能低下症になった場合より、
問題となる程度は低いことになります。

Q3:放射性ヨードの影響を防ぐ為には何が必要でしょうか?

A3:すでにホームページに紹介しているように、放射性被爆の恐れがでた段階で、
適切な量(大人でヨードとして100mgという大量)の安定ヨウ素剤を服用する必要があります。

昆布やサプリメント、うがい薬(イソジン)などで無意味に摂取するのは、
かえって有害ですので、しないようにしてください。

また、被爆を受けない何日も前に、過剰ヨードを摂取してしまうと、その防御効果が得られません。

日本国政府(厚生労働省)が必要な薬剤を、最も必要とする被災地に輸送しています。

いたずらに政府の対応を批判する声がありますが、この非常事態に、外野で声を上げている人は、
現場で働いていない人です。現場では、本当の専門家が、できる限りのことをしていますので、
そうした専門家の指示を待ちましょう。

こども健康倶楽部に情報を載せていきますので、引き続き、ホームページを参考にしてください。



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