Dr.中川のがんの時代を暮らす:/20 DNA傷つけるラドン

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2011年12月26日(Mon) 23:00 by drharasho

タバコと放射線に関する参考記事です。

いろいろ議論はありますが、
まずは参考記事としてご一読を・・・

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Dr.中川のがんの時代を暮らす:/20 DNA傷つけるラドン
http://mainichi.jp/life/health/medical/news/20111225ddm013070049000c.html

 地表の下に広く存在して、大陸を支える岩石の大半は、御影(みかげ)石とも
呼ばれる「花こう岩」です。花こう岩は、ウランやトリウムなどの放射性物質を
多く含みます。岐阜県や山口県で「自然放射線」が高いのは、花こう岩が大量に
あるうえ、岩盤が露出している山岳地帯が多いためです。

 日本の場合、花こう岩など大地から発生するガンマ線で年0・4ミリシーベルト
程度の外部被ばくを受けています。さらに、この花こう岩からは「ラドンガス」が
発生します。秋田県の玉川温泉などの「ラドン温泉」は、がん患者の皆さんにも
有名ですが、温泉地や鉱山では空気中のラドン濃度が高くなっています。

 天然の放射性物質であるラドンガスは、ウランがラジウム、ラドンへと「崩壊」
するときに発生します。このガスを吸い込むことによって、日本では年平均0・4
ミリシーベルト程度の内部被ばくが起こっています。

 鉱山労働者に肺がんが多いことは以前から知られていました。体内に吸い込まれた
ラドンが、肺の細胞のDNAを傷つけ、肺がんの原因となると考えられます。肺がん
は、年間死亡数約7万人と、日本人のがん死亡のトップです。肺がんの最大の原因は
喫煙ですが、原因の第2位は、このラドンガスなのです。世界保健機関(WHO)に
よると、肺がんの原因の3~14%が、空気中のラドンの吸入による被ばくと言われ
ます。たばこを吸わない人にとっては、ラドンが肺がんの原因のトップになります。


 たばこの煙には、ベンゾピレンなどの発がん物質のほかに、ラドン由来の放射性
物質が含まれます。ラドンが崩壊してできる「ポロニウム」など大気中の放射性
物質が葉タバコに付着するため、たばこを吸うと被ばくするのです。この放射性
ポロニウムは、元ロシア連邦保安庁(FSB)のリトビネンコ氏の暗殺にも使われ
ましたが、1日にたばこを1~2箱吸うことで年0・2~0・4ミリシーベルトの
被ばくを受けます。


 自然被ばくの原因となっている花こう岩ですが、その形成には水が必要です。
このため、地球以外の惑星にはほとんど存在しない岩石です。私たちが自然被ばく
を受けるのは、「水の惑星」の住人だからなのです。

(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

毎日新聞 2011年12月25日 東京朝刊


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