ポーランドの男性では、観察された冠動脈心疾患(CHD)による死亡率低下の約15%が喫煙率の低下に起因

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2012年02月17日(Fri) 14:24 by drharasho

この論文を紹介した記事では、男性喫煙率低下の好影響を、
記事の最後の最後に紹介。

なにか隠された意図を感じざるを得ない。

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ポーランドのCHD死低下、リスク因子低減とEBMの寄与が大

2012/02/17(金) No.J001837

ポーランドでは、2005年の冠動脈心疾患(CHD)による死亡数が1991年に比べて半減し、
その要因は主要なリスク因子の低減とEBMの進展による治療法の進歩であることが、
グダニスク医科大学のPiotr Bandosz氏らの検討で示された。ポーランドでは、1980年代
にみられた若年層の心血管死の急増傾向が、市場経済導入後の1990年代初頭には
急速に減少したという。社会経済的な変革によって、ライフスタイルの大きな変化や医療
システムの実質的な改善がもたらされたと考えられる。BMJ誌2012年2月4日号
(オンライン版2012年1月25日号)掲載の報告。



CHD死低下の要因をモデル研究で評価

研究グループは、1990年代初頭の政治的、社会的、経済的な変革を経たポーランド
におけるCHD死の急激な低下が、薬物療法や手術、心血管リスク因子の変化でどの
程度説明が可能かを評価するために、モデルを用いた研究を行った。

1991~2005年における25~74歳の地域住民を対象とし、解析には対照比較試験や
メタ解析、全国調査、公式の統計解析などのデータを使用した。

女性では血圧低下が、男性では喫煙率低下が良好な影響示す

ポーランドにおけるCHDによる死亡率は1991~2005年の間に半減し、2005年には
25~74歳の集団のCHD死が2万6,200件減少した。このうち約91%(2万3,715件)が
使用したモデルで説明可能だった。

このCHD死低下の約37%は、心不全治療(12%)、急性冠症候群の初期治療(9%)、
心筋梗塞や血行再建術後の2次予防治療(7%)、慢性狭心症治療(3%)、その他
(6%)によるものであった。また、約54%はリスク因子の変化によるもので、総コレステ
ロール値の低下(39%)と余暇の身体活動の増加(10%)が主であった。BMIや糖尿病
の発症率は増加しており、死亡率には悪い影響を及ぼしていた(それぞれ-4%、-2%)。

女性では、死亡率低下の約29%が血圧低下によるものであったが、男性の血圧は
上昇しており、死亡率は増加していた(-8%)。男性では、観察された死亡率低下の
約15%が喫煙率の低下に起因していたが、女性における喫煙の影響はわずかであった。

著者は、「ポーランドでは、2005年のCHDによる死亡率が1991年に比べて半減し、
その要因として主要なリスク因子の低減が半分以上を占め、約3分の1はEBMの
進展による治療法の進歩に起因していた」と結論している。

(菅野守:医学ライター)

Bandosz P et al. Decline in mortality from coronary heart disease in Poland
after socioeconomic transformation: modelling study.
BMJ. 2012 Jan 25;344:d8136. doi: 10.1136/bmj.d8136.

【添付ファイル】


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