10歳代の受動喫煙が難聴リスク増加と関連

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2012年06月29日(Fri) 11:32 by drharasho

こんなニュースも。過去ニュースですが。

[2012年1月5日(VOL.45 NO.1) p.26]10歳代の受動喫煙が難聴リスク増加と関連

〔シカゴ〕ニューヨーク大学ランゴン医療センター(ニューヨーク)のAnil K. Lalwani教授らは,10歳代の受動喫煙への曝露が,難聴リスクの増加と関連しているとArchives of Otolaryngology-Head and Neck Surgery(2011; 137: 655-662)に発表した。受動喫煙に曝露されると,曝露されなかった場合に比べて難聴リスクが約2倍に上るという。

感音難聴の危険因子を検討

 論文の背景情報によると,米国では小児の約半数が日常的に受動喫煙に曝露される環境にあるという。これまでの研究から,出生前や小児期の受動喫煙が低出生体重から呼吸器感染症,問題行動に至るさまざまな健康状態に悪影響を及ぼすことが報告されている。

 また,受動喫煙は中耳炎の危険因子としても知られており,米国では受動喫煙に曝露されている小児の約6割に反復性急性中耳炎が見られる。そのためLalwani教授らは,受動喫煙が聴覚の発達に影響を及ぼし,感音難聴を引き起こす原因となる可能性に着目。2005~06年の米国保健栄養調査(NHANES)のデータから,12~19歳の非喫煙者1,533例を対象に,受動喫煙を含めた青年期における感音難聴の危険因子について検討した。なお対象には,健康状態や家族の病歴,受動喫煙への曝露の有無,聴覚障害に対する自己認識についてのインタビューを実施した。さらに,身体診察,コチニン血中濃度の測定や聴覚検査などの検査を行った。

感音難聴例の約8割で自覚なし

 その結果,受動喫煙に曝露されなかった場合に比べて,受動喫煙に曝露された群では,低周波および高周波の難聴の発症率が約2倍高かった。この難聴の発症率は,血液検査によるコチニン値の増加とともに上昇し,累積的に増加することが分かった。また,感音難聴を呈した10歳代の約8割が自身の障害に気付いていなかったことも判明した。

 Lalwani教授らは「若年期の難聴は,その後の身体の発達や機能に障害を生じる原因となりうるため,米国の公衆衛生上,今回の知見は重要な意味を持つ」と指摘。「今回の結果が他の研究でも追認されれば,受動喫煙は難聴の危険因子と認められる可能性がある。それにより,多くの若者が難聴のスクリーニングを受けるようになるだろう」と述べている。

 以上から,同教授らは「受動喫煙に曝露された青年は,難聴スクリーニングを頻繁に受ける必要がある」と結論付け,さらに日常生活での娯楽や職場での騒音,受動喫煙といった難聴の危険因子の存在についても教育していく必要があるとの考えを示した。


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