タバコ規制枠組条約についての衆議院外務委員会での浜本宏議員の質問

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2011年06月29日(Wed) 17:42

第177回国会において設置されている委員会等の外務委員会5/13(第11号) 
平成23年5月13日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm


○浜本委員 どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 私としては、これは提言ですけれども、新聞とかそういうのも大事ですが、
例えば各国のテレビに、日本の方で世界的な皆さん、例えば小沢征爾さんとか
イチロー選手とか、あるいはサッカーの中田選手とか、こういう皆さんにちょ
っと御協力をいただいて、御支援をありがとうございました、日本は元気に頑
張っていますといったようなコマーシャルフィルムみたいなものをつくって流
していく必要があるんじゃないかな、そういうふうなことを思っております。
これは提言ですので、またお考えをいただければと思います。

 さて、通告をしておりますたばこ規制枠組み条約についての質問をさせてい
ただきたいと思います。


 たばこ規制枠組み条約、FCTC、これは、御存じのように、二〇〇四年に
我が国も批准をいたしました。この外務委員会で議論がされて、そして我が国
も、名誉ある原加盟国、十九番目の国として批准をしたわけであります。この
たばこ規制枠組み条約は、いかにたばこの害が世界的、地球課題の問題である
かということ、受動喫煙の怖さ、そういったものを含めて書かれた人類初の公
衆衛生に関する、あるいは健康に関する国際法であることは御存じかと思います。

 このFCTCに対する大臣の御認識と、そして外務省が今日までFCTC履
行のために取り組んでこられた御努力、そして今後これをどういうふうに実現、
さらに履行していこう、完全な実施をしていこうというふうに思っておられるのか。

 これは非常に厳しい記事でありますけれども、きょうお渡ししております資
料の二枚目の右側を見ていただきましたら、三つ目のパラグラフに、「外務省
のホームページを見れば一目瞭然です。そこにはこれまで数年間かけて、自分
も賛成したはずのガイドラインがどこにも見あたらないのです。」ということ
で、外務省の今日までの取り組みについてはやや厳しい、ややというよりは非
常に厳しいことが書かれております。これは、NPOの日本禁煙学会、日本で
もたばこの害について非常に熱心に取り組んでおられるNPOの専門家の集ま
った学会のFCTCポケットブックということで、今月末には発売される予定
のものですけれども、こういった取り組みあるいはこのFCTCに対する大臣
の御認識、御見解、お聞かせをいただければ幸いです。

○松本(剛)国務大臣 先生とは、このたばこに関する世界保健機関枠組み条
約については、先生が初当選されて私が議運委員長を務めておるときからよく
議論をさせていただいたことはよく記憶をいたしております。


 政府としても、まさに今先生がおっしゃったように、この条約はWHOのも
とで策定をされた保健分野では初めての多数国間の条約であるというふうに理
解をしておりますし、各国が個別にとっていたたばこ対策について国際協力の
枠組みを与えるもので、政府としては、たばこ対策への取り組みや保健分野の
国際協力に関する我が国の積極的な姿勢を示すためにも、この条約を着実に実
施することが重要であると認識をしている。外務省としても、関係省庁と連携
をしつつ、国内の施策が条約上の義務や条約の趣旨に即したものとなることの
確保に努力するとともに、国内の実施状況について定期的な報告を締約国会議
に提出しているということであります。

 今後とも、同条約の国内における周知に努めていくとともに、たばこ製品の
主要な生産国、消費国としての立場から、たばこ対策に関する国際的な取り組
みを促進していく考えである。このように政府としては認識をしているという
ことであります。

 同時に、先ほど申し上げましたように、一昨年の九月以降、先生からも御指
摘をいただいて、この条約の実施、推進についてはさまざまなお声がある、また
そのさまざまなお声についてどうこたえるかということが課題になっているとい
うことは、私自身も理解をいたしておるつもりでございます。

○浜本委員 ぜひ、外務省も、各省との連携という中で、どうしても厚生労働省
あるいはその他の省に任せておいたらいいんだというふうな姿勢が、どうも過去
見ておりますとございました。きょうの資料の二枚目を見ていただいた左側に、
このFCTCの歴史はというところで、「二〇〇四年三月九日 ニューヨークで
日本政府が署名」
と。この署名をされたのはたしか国連大使であったと思います。
そういう意味でも、窓口とはいうものの、やはり外務省は、この国際条約が完全
に履行されていくように連携をとりながらも、一段先んじて、各省庁に対してい
ろいろと連携を図っていくような指示とかをやっていただかないといけないので
はないか、こういうふうに思っております。

 このFCTCの中にも書かれておりますが、特に受動喫煙、吸った人の吐いた
煙、あるいはたばこの先から出る煙、吸わない人がこういうものを吸うことによ
って大変な被害が出ているということであります。

 その怖さについては、きょう手元にお渡ししております受動喫煙ファクトシー
、これを見ていただければわかりますが、例えばこれの十三ページ、ほんの少
したばこのにおいがするとき、そこはアスベストの敷地境界基準を百倍超えてい
る。アスベストの怖さについては、もう既に私たちもよく知っておるわけであります。

 これも、一九七〇年代にアスベストに発がん性があるということが言われてお
りながら、これの対応がおくれてしまったために悲劇が生じております。そのア
スベストの敷地の境界基準を百倍超えている。ちょっとたばこが臭いな、たばこ
のにおいがするな、その状態でそういう状況にある。

 あるいは、きょうお渡ししております資料の四ページ目の記事を見ていただき
ますと、受動喫煙で年六千八百人が死亡、厚労省推計、交通事故死を上回るとい
う朝日新聞の昨年の九月二十九日の記事がございます。あるいは、五ページ目左
側に、日本経済新聞の四月二十五日の記事ですが、放射線の発がんリスクという
ことで、百ミリシーベルトイコール受動喫煙並み、これは、逆に言うと、受動喫
煙は百ミリシーベルトの放射線を受けているのと一緒だ、あるいはたばこを吸っ
ている喫煙者の場合には、その下にあります、二千ミリシーベルト以上に該当す
るという状況なんですね。


 これは非常に恐ろしいものであるということが、FCTCにもそのことは書か
れておりますけれども、こういった記事を見ていただいても、特に最近放射線の
問題がありますので、その関連で申し上げましたけれども、非常に恐ろしいものである。

 こういう状況の中で、今大臣がおっしゃいました、議運の委員長のときには大
変な御努力をいただきまして、昨年の四月十九日から衆議院の本会議場周辺での
禁煙が実現をし、あのあたりの周辺の空気が非常に美しく、美しいというかクリ
ーンになったということで、元衆議院議運委員長としての大臣に対し、心から敬
意を表したいと思っております。

 しかしながら、きょうお渡ししておりますもう一つの神戸新聞の記事の中にも
ございますように、衆議院の例えば議員食堂、まだ全然分煙がされていない。こ
の国会で、人様に対して、健康増進法とか労働安全衛生法とか、受動喫煙はだめ
だ、もっとちゃんとしなさいというふうな立法を我々はしながら、その立法者の
巣であるこの国会の議員食堂が分煙さえされていない。座ったら、隣からあちら
こちらから煙にさらされて、今申し上げたように百ミリシーベルトを、あの議員
食堂の中はもっともっとすごい、放射線にかえるとすごいものがあるんだ、こう
いう認識を持たないといけない。

 こういうことについて、FCTCの窓口として外務省があったわけですけれど
も、外務大臣として、あるいは前議運委員長といたしまして、国会の今の現状に
ついてやはり注意を喚起しなければいけないのではないか、こういうふうに思う
んですが、大臣、いかがでしょうか。

○松本(剛)国務大臣 本件に特定してということで申し上げるのが必ずしもい
いかどうかというのはありますが、率直に申し上げて、私も政府の仕事をさせて
いただいて半年余りになりますけれども、やはりまだまだ縦割りというか、逆に
言うと、各省の内政不干渉というか相互不可侵というか、そういうような面がな
いわけではないと思います。まさに今委員もお話がありましたように、これはう
ちの所掌であるからと言うと、なかなか口を出しにくいという雰囲気が全体とし
てはないわけではない中で、外務省は条約その他の所掌もありますので、比較的
まだ横断的に申し上げている方ではないかと私自身は思っていますけれども、今
の御指摘も踏まえて今後の仕事にも生かしていきたいと思っております。

 まさに国会の禁煙の推進に関しては、この神戸新聞の記事にもありますけれど
も、ちょうど私が議院運営委員長を務めているときに、議連の中核的なメンバー
として先生からも要請をいただいて、それを受けとめて当時の議院運営委員会で
も議論をしていただいた記憶があります。

 御指摘の分館は、御案内だと思いますけれども、二階については、予算のやり
くりで分煙室というか喫煙室を二階の奥につくりましたので、基本的にはそれ以
外のところを禁煙にする。三階、四階も予算のやりくりをして速やかにつくって
それを進めるということなんですが、今私が知っている限りでは、まだ三階、四
階は着工されていないというふうに思います
ので、その辺はまた機会があれば、
前委員長として、どのように進んでいるのかを確かめてみたいというふうに思います。

 なお、食堂が課題だという点は先生には前に御説明を申し上げたことがあろう
かというふうに思いますけれども、課題であるという認識は私自身も引き続き持
っておりますので、これについても、改めて問題提起があったことはまた伝えら
れる同僚なりには伝えてみたい、このように思っております。

○浜本委員 ぜひ、FCTCの観点からも、外務大臣としてこの条約を履行させ
ていくためにも、そういった関係者に強く要請をしていただきたいと思います。

 ただ、FCTC等あるいは国際場裏の場では、今、分煙というのはもう時代お
くれで、きょうのこの新聞の記事にも出しておりますが、神戸市は全庁舎で禁煙
をする。もう分煙の時代ではないという状況になっている、こういうこともぜひ
御理解をいただきたいと思います。

 それで、防衛省の方、お越しいただいていますか。

 私、これは驚いたんですが、普通、一般の航空機はだれもたばこを吸うことは
できません、安全上からということで。ところが、聞きましたら、政府専用機で
はたばこを吸うことができるんだと。これはまさに受動喫煙が航空機の中で起こ
っている。そこにアテンドしておられる、自衛隊の皆さんがそこで働いておるわ
けですが、そういう方々は、たばこの灰皿をかえたりあるいは吸っている方のと
ころにお茶を持っていったりする場合、まさに受動喫煙を強いられているわけですね。

 我が国の政府はFCTCに加入しておきながら、その政府の専用機でそういう
ことが許されているということ、これはやはり改めなければいけないのではない
かと思いますが、防衛省、そのあたり、政府専用機で喫煙は可能ということは間
違いないでしょうか。

○櫻井政府参考人 政府専用機についてお答えいたします。

 政府専用機の中には、会議室として利用している比較的小ぶりの区画がござい
ますけれども、その中では排煙設備を設けまして、分煙ができるようになってお
ります。
ここの部分については、他と区画が完全にできるような形で、分煙では
ありますけれども、するようになっております。したがいまして、昔の民間機で
あれば全部ツーツーの形になっていましたけれども、そういう形ではないという
ことは申し上げられると思います。

○浜本委員 たとえ分煙であっても、やはりたばこの煙の会議室に自衛官の方が
入っていくわけですから、これはもう本当に受動喫煙をさせられているという状
況です。これはやはり政府としては改めなければいけない、こういう点も外務大
臣としてぜひ心に置いていただいて、政府等に会議等でぜひこの点も取り上げて
いただければと思います。

 次に、受動喫煙に対する厚生労働省の認識をお尋ねしたいと思います。その対
策、どういう対策をしておられるのか、お願いいたします。

○外山政府参考人 受動喫煙による健康への悪影響につきましては、肺がんや循
環器疾患のリスクの上昇を示す研究報告があるなど、その健康への悪影響は科学
的に明らかとなっていると認識しております。

 このため、平成十五年に施行いたしました健康増進法におきまして、公共施設
の管理者に受動喫煙防止措置を講ずるよう努めるべきことが明記されまして、厚
生労働省は、これに基づき、対策を講じているところでございます。

 また、先ほど来お話のFCTCに基づく、たばこの煙にさらされることからの
保護に関するガイドラインが採択されたことを受けまして、厚生労働省では、平
成二十年三月から受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会を開催いたしまして、
二十二年二月に健康局長通知を発出いたしまして、公共の場においては原則とし
て全面禁煙であるべき旨を示しまして、受動喫煙防止対策の強化を図っていると
ころでございます。


 さらに、職場での受動喫煙防止対策強化につきまして、昨年十二月に、労働政
策審議会から、原則として職場での全面禁煙などを事業者に義務づけるべきとの
建議をいただいたところでございまして、現在、これらの内容の実現を図るべく、
労働安全衛生法の改正におきまして、強化策について検討をしているところであ
ります。


○浜本委員 まさに、この受動喫煙の怖さというものはおっしゃったとおりでご
ざいます。ぜひ、厚生労働省としても、今まで以上により積極的に取り組んでい
ただきたいと思います。

 日本周辺、この間、中国も、もう公共の場所では禁煙にするというふうな状況、
あるいは、先ほど申し上げた、台湾の空港に行きまして驚いたのは、たばこを吸
うとこういう肺になりますよ、健康な肺はこうですという、カラーでたばこのパ
ッケージにちゃんとそういう表示があるんですね。はるかにアジアの周辺の国も
進んできている。日本の方が対応がおくれてしまっている。これは非常に残念な
ことであります。

 そういう意味で、ぜひこのFCTC、五月三十一日が世界禁煙デーであります。
この禁煙デーに当たって、WHOはことし、FCTCというテーマで、もう一度
このFCTCを啓蒙しようということで、この取り組みを強化することになって
おりますので、ぜひ、外務省あるいは厚生労働省、そこが中心になって取り組ん
でいただきたい。

 きょうお渡しをしました資料の最後のところにあります、世界禁煙デーに当た
って厚生労働省が記念のシンポジウムをされる。こういった中に、例えば、後援
団体に警察庁とか内閣府とかがあるんですけれども、しかしながら、外務省がな
い。やはりこういった問題も深刻に考えていただいて、外務省なんかもこういう
ものをどんどんバックアップしていっていただいて、FCTCを世に知らしめて
いくということをぜひお願いをしたいと思います。

 残念ながら時間が参りましたけれども、最後のところで文科省にお聞きをしよ
うと思ったのは、国会の訪問者、今、国会見学に年間八十万人近い子供さんたち
が来ておられるという状況の中で、この子供さんたちが受動喫煙を強いられてい
る状況、やはりこれは何としてもとめなければいけない、こういう問題を提起し
て、私の質問を終わりたいと思います。

 文科省の皆さんには失礼しました。

 きょうはありがとうございました。


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